パティシエになる方法と向いている人
パティシエになるには、資格は必要ありません。 専門学校などに通わず未経験で就職して修行してからパティシエになることもできます。 ただし、一般的には製菓専門学校を卒業して、洋菓子店などに就職することが多いです。
一番多いのが、高校卒業後に製菓専門学校に通い、ホテルの製菓部門や
街のケーキ屋さんに就職する道です。
中には短大を卒業後、製菓学校に通うかたもいます。ただそれ以外にもいろんな方がいます。
転職組も多くはありませんがいます。
私の場合、大学の経済学部をでてから一般企業に就職しサラリーマンを3年経験して
洋菓子の世界に入った転職組です。
製菓学校に行かなくてもパティシエにはなれます。
わたしの場合ほぼ知識ゼロからのスタートです。
ただパティシエに転職するような人は、もともとお菓子が好きな方が多いので
多少の基礎知識はあると思います。
実家がお菓子屋さんの人は知り合いや人脈で、有名店に入る例も多々あります。
最近は外国の方も少しずつ増えてきています。
どちらかと言うとアジア系、韓国や中国の若い方が入ってきます。
製菓学校経由も転職組もどちらも増えてきてるのが実感としてあります。
求人情報にもパティシエ募集が出ていることあります。
また製菓業界、特に街場のケーキ屋さんは慢性的な人手不足です。
働きたいお店も、自分で探して飛び込みで交渉してみる方法もあります。
ここで大きな疑問。
なら製菓学校に行く意味はあるのか?
製菓学校の授業料って高いですよね。
行かなくてもパティシエになれるなら、行く意味はあるのかと思いませんか。
行かなかった自分が本当に公平な立場で言えるか疑問ですが
何にでも物事には二面性があるように、メリットとデメリットが
あると思います。
まずメリットは
同じ目的を持った仲間と一緒に好きなことを勉強するので、仲の良い友達ができる。
経験を豊かな先生に教えてもらえる。
基礎的なことは勉強できる。
ちゃんとした機材、設備をつかうことができる。
業界に入る前に心構えを教えてもらえるし、その時間が取れる。
就職部や同じ学校卒の先輩の話が聞ける。
個人では見つけられないような就職先の情報がある。
デメリットは
授業料が高い。
就職した後、友人から他社の話をきけてしまう。
(となりの芝生は青く見えてしまうもの)ほかがよくみえてしまうのですぐに転職してしまう。
実際はどこにでも、良い面と悪い面があります。環境が自分に合うかどうかです。
製菓学校をでても、現場では1年生。
製菓学校を出ているから仕事ができる、仕事を任せてもらえる訳では無い。
やはりそこは、人柄であったり作業のしかた、段取などその人の人となりが
大きく影響します。
高い授業料を払う価値はそれなりにあるとはおもいます。
でもなくてもパティシエになることはできますが、その分努力は必要です。
私は製菓学校に行かなかったので、製菓理論もお菓子の種類も全部仕事が終わってから
勉強しました。コンテストに取り組めば、同じ思いをもった人たちとのつながりも
少しずつみつけられます。
働きたいお店も、自分で探して飛び込みで交渉してみる方法もあります。
学校に行かなくてもできることはあります。
ただそこには知恵と努力と工夫が必要です。
大切なことは、職場に入ってから自分が何にむかって行くのか。
夢や目標をもって、今必要なことをあせらず、他の人と比較せずに
一歩ずつ進みつづけることです。
毎日の忙しさやクリスマスシーズンの大変さに忙殺されてしまうと
強い気持ちも揺らいでしまう。そんなパティシエたちをたくさん見てきました。
パティシエに向いている人
製菓学校などのサイトをみると
大体書いていますが、現場からみるとすこし優先順位や
なくてもいいものもあります。
わたしの体感としてなので正解はないと思いますが
参考にしてもらえたらと思います。
1お菓子が好きで作るのがすき。
これはたしかにありますが、
パティシエは繊細で細かな仕事を想像されるとおもいますが、一度に多くのケーキを作るには、材料だけでも5キロ、10キロになってしまいます。
好きでないとまず続けることがしんどくなります。
毎日同じことをやり続けるとどんなに好きでも、つらい気持ちになることもあります。
それでもやり続けることができるのは、やっぱりお菓子がとても好きという気持ちです。
2体力と根性があるか。
これは1の内容でも話しましたが、おなじことを毎日同じようにすることは
体力だけでなく精神的にも強くないとついつい弱音をはいてしまいます。
自分も経験しましたが、パティシエにあこがれて入ってきた多くの人が
ここで気持ちをおられてしまいます。
そこに先輩スタッフとの行き違いなどが入ってくると、もっと精神的にきつくなる
パティシエさんをたくさんみてきました。
3性格的に素直であることや勉強熱心探求心があること
まずは先輩スタッフの教えを素直に聞くことができる人。
自分の知識と違っても、まず受け入れて素直に聞く人です。
各お店にはそれぞれ特徴のあるお菓子やケーキがあります。
学校で習った方法と違っても、そのお店、その配合には
それぞれの意味があってその作り方をしていたり、配合があります。
まずその基本をしっかりと身につけてた上で、自分の好みや知識との違いを勉強することが
大切です。
プロの画家は、どんなにくずした絵をかいているひとでもデッサンをすれば、さすがとおもえるほど上手に絵を書きます。それは基本がしっかりできているから。
製菓学校は基本を勉強しますが、体にしみこむほどのレベルを習得するには時間的に制約があるので難しい。
これが、現場では製菓学校卒も転職組も1からスタートと思う理由です。
4おもてなしのこころがあるか。
言葉でいうと簡単ですが、私が長く洋菓子業界のにいて感じることは
ここが一番かけてしまっているパティシエさんがどれだけ多いかということです。
自分の考え方が正しい。間違っているのは相手。
自分が美味しいと思うものがすべて正しい。
大好きなお菓子をたくさん、しかも早く作らないといけない毎日のなかで
早いことが良いことだと勘違いしてしまう。
コンテストで優勝する人が偉いひと。
もちろん大切なことではありますが、ケーキでもパンでも買っていただいて
食べてもらい、お客様が喜んで貰えなければただの独りよがりになってしまいます。
お客様はいろんな方がいます。
どんな状況や環境でお菓子やケーキを必要としているのか。
自分が美味しいと思うものとお客様が美味しいと思うもの(必要としているもの)
にはすこしズレがあることがあります。
このズレを素早く感じとり、修正できることがとてもたいせつです。
相手の気持ちを考えて、一番喜んで貰える方法を自分の力で考えることが大切です。
こんな当たり前のことを、声に出してちゃんと教えててくれる先輩は残念ですが
あまり多くないことが、パティシエの現場はではよくあります。
5美的感覚
ネットをみるとよく、向いている人として美的感覚をいうことが多いとおもいますが
わたしとしてはそれほど重要ではありません。
たしかにコンテストに優勝したり、世界大会に出場するためにはある程度天性のものも
あるかとおもいます。
でもお菓子がとてもすきで、勉強熱心で日々努力を続けていれば十分なレベルまで磨かれていくものです。
洋菓子業界はたしかに厳しい世界です。業界の特徴もあるので一概にはいえないかもしれませんが。パティシエの離職率は3年以内で70%、10年以内で99%という数が出ています。
ネットで調べるとでてきますが、私の実感としてもあっているなとおもいます。
あこがれや理想と現実のギャップが大きいことや
きつい仕事であるからこそ、離職率も高いのです。
洋菓子業界もその分人手不足という課題を常に持っています。
でもお菓子はまだ言葉も上手く話せない子どもですら、ショーケースの前で
何も言わずに笑顔にできる力があります。怒りながらケーキを買う人はほとんどいません。
みんなを笑顔にすることのできるとても素敵な仕事です。
だからつらいことでも耐えろといっているのではありません。
パティシエもただ言われたことを、言われたトウリにするのではなく自分で考える、より効率的な方法を
みつけたり後輩への指導にも工夫が必要です。
またこれからは洋菓子業界も変わらなくてはいけません。
全てとまではいえませんが変わり始めていると思います。
オーナーや経営者も少しでも働きやすい環境を作ろうと残業を減らし、休みの日数を増やしたり、有給休暇をきちんと取れるように職場環境も変わり始めています。
私の頃は長時間労働も当たり前でしたが、今では朝の7時から16時から17時ころには
いつもおわっています。(繁忙期シーズンは違いますが)
またパティシエはお菓子を作れるという技術をが身につく。
当たり前のことですが、これは大きな財産です。業界内にいるとあたりまえすぎて感じませんが
大きなぶきとなります。
考え方や視点を変えれば多種多様な働き方ができる。
いまではレンタルキッチンやSNSをつかっての販売
youtubeでの配信、アイテムをしぼった専門店化等いろんな方法が増えています。
従来のやり方にとらわえず、色々な方法にチャレンジしたほうがいいとおもいます。むしろ昔のやり方だけでは通用しない時代になってきているとおもいます。
最近はまた外国人観光客も増えてきて、日本食の良さが外国人の間で評判ですが
それはいずれ、日本の洋菓子やパンでも同じことだと思います。
その時日本のケーキ屋さんパン屋さんが海外から注目され、
その時自信をもって胸を張っておすすめできるケーキ屋さんパン屋さんが日本中にたくさんふえてくれくこと、それがわたしの希望です。
好きならチャレンジしたほうがいい。
人生は速さを競うゲームじゃない。
ゴールまでの時間は人それぞれ。
自分の幸せには自分で探して、自分で決めよう。
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